各種ヒーター許容ワット密度、最高使用温度一覧
ヒーター種類 | サイズ | 許容ワット密度 | 最高使用温度 |
---|---|---|---|
標準型バンドヒーター | φ199以下 | 4.0以下(3.5) | 350℃ |
φ200~249 | 3.5以下(3.0) | 350℃ | |
φ250~ | 3.0以下(2.5) | 350℃ | |
フレキシブル型バンドヒーター シールドフレキシブル型バンドヒーター |
φ199以下 | 4.5以下(4.0) | 350℃ |
φ200~249 | 4.0以下(3.5) | 350℃ | |
φ250~299 | 3.5以下(3.0) | 350℃ | |
φ300~ | 3.0以下(2.5) | 350℃ | |
プレート(スペース、ストリップ)ヒーター | 3.0以下 | 350℃ | |
押え板付きプレート(スペース、ストリップ)ヒーター | 4.0以下(3.5) | 350℃ | |
ノズルヒーター(バンド式) | φ30〜φ60 | 5.0以下 | 350℃ |
密閉型ノズルヒーター(真鍮ケース) | φ30~ | 5.0以下 | 350℃ |
高温用密閉型ノズルヒーター(SUSケース) | φ30~ | 7.0以下 | 500℃ |
セラミックヒーター | φ60~ | 6.5以下 | 700℃ |
マイクロシーズヒーター | φ15~ | 6.5以下 | 500℃ |
※()内数値は保温カバー付きの場合の許容ワット密度となります。電圧変動により電圧が10%上昇すると、ワット密度は21%上昇します。
※許容ワット密度以上の仕様もご相談下さい。
ワット密度計算方法
■バンドヒーター、ノズルヒーター類
ヒーター容量(W)/ヒーター内径表面積
※割口部の面積(10mm)×(幅寸法)を引いて下さい。又、孔のある場合は孔径に円周方向14mm、軸方向に10mmを加算した長方形として面積を引いて下さい。
■プレートヒーター
ヒーター容量(W)/ヒーター表面積
※孔のある場合は孔径に縦方向及び横方向に10mmを加算した正方形として面積を引いて下さい。
■セラミックヒーター
ヒーター容量(W)/ヒーター内径表面積
※割口部の面積(20mm+割口寸法)×(幅寸法-2mm)を引いて下さい。又、孔の有る場合は孔の面積の4倍を引いて下さい。
■マイクロシーズヒーター
ヒーター容量(W)/ヒーター内径表面積
ワット密度とは
ヒーター有効発熱部の単位表面積あたりの消費電力を求めたもので表面電力密度(W/cm²)で表されます。ワット密度はヒーターの寿命と密接に関係しておりワット密度が大きくなるとヒーター表面温度は高くなりますがヒーターの寿命は短くなる傾向にあります。
当社では各ヒーターごとに許容ワット密度の設定を設け、ご提案しております。
※許容ワット密度を超えるものも製作可能ですのでご相談下さい。
※ワット密度はあくまでも目安であり、使用環境、条件等により、低ワット密度でも短寿命となる場合もあります。
保温カバー付きバンドヒーター及びプレートヒーターを製作の際はワット密度を上記表より0.5~1W/cm²下げてのご注文をお勧めします。(セラミックヒーターは除く)
ヒーターのワット密度と
空気中に於ける
ヒーター表面温度(空焼き)
ヒーターを未装着(接触加熱させず空焼き)で加熱した場合の温度とワット密度の関係
ヒーター取り扱いの注意点
安全により長くお使い頂く為、以下にご注意下さい。
弊社工業用ヒーターは消耗品です。ヒーターを構成する耐熱部品は、ヒーターの熱の影響を受け、熱による劣化が進行していきます。それぞれの耐熱部品の劣化の速度は、ヒーターの仕様、環境によって大きく異なりますので、定期的に点検を行い、交換を行って下さい。
ヒーターの温度調整には温調器の使用を推奨いたします。温調点はヒーターに近い位置で計測頂き、必要以上の温度上昇は避けて下さい。
ヒーターは加熱物との密着性が重要となります。取り付けの際は隙間の無い様しっかり装着して下さい。隙間がありますとヒーターの熱が奪われずオーバーヒート状態になり、早期故障の原因につながります。
腐食性、多湿の雰囲気(蒸気、ガス、液)での使用はできません。漏電などの電気トラブルの発生につながります。また、真空の状態での使用は出来ません。
リード線付きのヒーターはリード線を持ってヒーターを持ち上げたりしてリード線に過度の荷重が加わらないようにして下さい。又、過度な屈曲動作があると金属疲労等により故障の原因となります。
ヒーターの装着時や使用後もヒーターと加熱物の間に隙間がないか、装着用締め付けボルトの緩み、接続端子部の緩み、リード線に傷などないか定期的に確認点検を行って下さい。
電源電圧は必ずヒーターに刻印の定格電圧をお守り下さい。定格電圧より高い電圧で使用しますと早期断線につながります。
ヒーターの種類によっては長期使用していない場合、吸湿により絶縁抵抗が悪くなる場合があります。低電圧で通電しヒーター本体を100℃ぐらいまで上昇させて自己回復させるか、乾燥炉に入れて湿気をとばす等の処置を行って絶縁を回復させてから使用して下さい。
ヒーターに異物を付着させないで下さい。ヒーターの故障、火災などの原因となります。
配線の際、ヒーターを加熱物へ装着させ、バンドの締め付けによって端子ネジに圧力を掛けて空回りしにくい状況下で行う事を推奨します。更に誤配線が無い事を抵抗計測等で確認し、接続端子部の緩みが無いようにしっかり締め付けを行って下さい。但し端子部第1ナット(ヒーター面から見て1つ目のナット)は、工場出荷時にM4=1.2N・m、M5=1.5N・mで調整されていますので、この値以下のトルクで締め付けて下さい。過度なトルクで締め付けますと端子ネジが空回りする事があり、断線の原因になります。より大きなトルクで取り付けたい場合は、第1ナットをスパナで固定して締め付けて下さい。
尚、第1ナットを緩めますと事故の原因となりますので、絶対に緩めない様に注意して下さい。